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スプライス


ロープの端にブロックなどを取り付けるとき、普通はもやい結びをしますが、私は、わりと好んでスプライスをします。

理由は、1. 見た目がスマート、2. ロープの強度が落ちない(一般に、ロープは結び目をつくると引っ張り強度が落ちます。もやい結びをすると、もともとの強度の60%くらいになるといわれています。) 3. スプライスをしたところもブロックを通すことができる、といったメリットがあるためです。

もっともレーザーにおいては、2. ロープがちぎれるほどテンションがかかることはない、強いテンションのかかるところには強いロープを使えばよい、3. が必要になるところはない、ため、結局理由は 1. の見た目だけ、ということになります。

やりかたは簡単です。逆にデメリットもないので、お気に召した方はお試しあれ。

2008年9月30日 西野・記


スプライシングツール スプライスに適したロープ
スプライシングツール。道具はこれだけです。値段は1,000円くらい... でした。[画像クリックで拡大] スプライスに適したロープの例。
上: 中芯+外被 という構造ではない単層のロープ。
下: ロープの中芯。[画像クリックで拡大]
スプライスに適したロープ 今回の説明に使うロープ
両端を押して縮めると、中が空洞になるロープがスプライスに適しています。[画像クリックで拡大] ロープの中芯を使って説明します。わかりやすくするため、ロープの半分を赤く塗ってあります。[画像クリックで拡大]
スプライスの手順1 スプライスの手順2
ロープの片方の端(ここでは赤端)をスプライシングツールの筒の中に入れます。[画像クリックで拡大] ロープを貫通させます。[画像クリックで拡大]
スプライスの手順3 スプライスの手順4
そのまま引っ張ります。ここで、スプライスでつくるループの大きさが決まります。[画像クリックで拡大] ロープの反対側の端(ここでは白端)をスプライシングツールの筒の中に入れます。[画像クリックで拡大]
スプライスの手順5 スプライスの手順6
ロープを貫通させます。[画像クリックで拡大] そのまま引っ張ります。[画像クリックで拡大]
スプライスの手順7 スプライスの手順8
ロープの反対側の端(ふたたび赤端)をスプライシングツールの筒の中に入れます。[画像クリックで拡大] 今度はロープを貫通させるのではなく、ロープの中を潜らせます。[画像クリックで拡大]
スプライスの手順9 スプライスの手順10
ある程度潜らせたら、スプライシングツールの先を外に出し、 [画像クリックで拡大] そのままロープを引き出します。[画像クリックで拡大]
スプライスの手順11 スプライスの手順12
適当なところで切ります。[画像クリックで拡大] 編みが緩んだほうのロープ(白端のほう)を引っ張って、さきほど切ったロープの端(赤端)を中に吸い込ませると、できあがり。テンションがかかると交互に通したロープが互いに締め合い、緩みません。ろ糸で縛る必要もなし。以前は、スプライスすることで太くなる部分は端から100mm以内、とクラスルールで決められていましたが、現在ではその制約はなくなっています。常識の範囲内で、ということなのでしょう。[画像クリックで拡大]
スプライスの解き方1 スプライスの解き方2
ロープはただ通してあるだけですから、逆の手順で抜いていくと、 [画像クリックで拡大] 解くことができます。[画像クリックで拡大]



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